起山窯陶芸倶楽部は、令和元年に亡くなった起山窯陶芸教室の主催者宮井起山先生の弟子たちが相互に教えあいながら倶楽部形式で活動している窯場です。
作陶は、毎週日曜午後1時から5時、東金市山田の起山窯(みきの湯隣)で行っており、師匠はいませんがろくろや手びねり、絵付けなど会員一人ひとりがそれぞれの好みに応じた作品づくりを楽しんでいます。ろくろは、全て三相200ボルトのプロ仕様のもので小物から大物まで力不足なく轢くことができます。
本焼成、1180°で色見を取りだす。
最近築いた楽窯。
窯は、20年近く前に師匠と弟子たちが築いた灯油窯(東隆窯)をメインに電気窯や楽窯があり、酸化、還元、中性など、時に応じて焼成方法を変え、年に4回程焼いています。
土は、赤土、中土、荒土、白土、耐火土、半磁器土、磁器土、さらには備前土や伊賀鍋用の土、炻器土など用途や作品によって使い分けています。
釉薬は、すべて師匠や弟子が作ったオリジナルで天目から青磁、織部、伊羅保など30数種類にもなり、最近では鉄赤釉やトルコ青釉など新しい釉薬づくりにも挑戦しています。
令和4年度活動報告
《作陶二人展》
6月、土気高校に隣接したカフェ&ギャラリー ナジャにて倶楽部員による作陶二人展が開かれ酒器を中心とした120点の作品を展示しました。
《窯 焚》
左が焼成前、右が焼成後、上薬が溶けて呉須(コバルト)や鬼板(鉄)で描いた絵が現れてくるのが分かるでしょうか。この写真は本焼時のものですが、本焼は少なくとも年4回、本焼の前に素焼も行いますので年8回は窯を焚いています。
作品が焼けると皆で窯出し、釉薬のかけ方など作品談議に花が咲きます。
《陶器のふしぎ》
東金文化会館内にある子ども科学館の主催で開催される陶芸体験教室「陶器のふしぎ」 倶楽部員が講師を務めて今年で15年目になります。
9月から11月にかけて3回講座で行われ、初回の成型時には「土ってなんだろう」と題し、捏ねて、形を作って、焼くことで何千年も残る土のふしぎを体験するため、市教育委員会からお借りした本物の縄文土器、土師器、古墳時代の須恵器のかけらを実際に手に取って触れてもらうといったこともしています。
子どもたちは創造力が豊かで、大人には思いもつかないような作品を作ってくれます。
成型した作品を乾燥後素焼し、子どもたちが呉須で絵付けした作品の窯出しには子どもたちも参加します。
起山窯には、灯油窯、電気窯のほかに薪で焼成する楽窯、さらに小型の炭焼き窯があります。
この炭焼き窯は短時間で焼成できるので焼成中に窯から取り出し、まっ赤に焼けている陶器が徐々に冷め、釉薬の色が出てくるところを実際に見てもらいました。
《文化展》
ここ3年ほど猛威を振るっているコロナウィルスの影響で開催が中止されていた市の文化展が11月に開催されることとなり、1日だけの展示でしたが来場された方々にご覧いただくことができました。