東金市郷土研究愛好会

本会は、昭和61(1986)年4月11日、松戸光夫氏(幹事長のち会長)、佐藤尚氏(幹事)、吉井永氏(事務局長)を中心に、事務局を東金図書館に置き、33名の同志によって発足しました。現在の会長は木村卓、副会長は山口英利。活動の内容は以下の通りです。

【活動内容】

①定例会
 毎月第4土曜日 午後1時30分より市文化財保管庫2階会議室で開催。郷土史に関する研究を会員各位が発表し、研鑽しています。
   定例会の研修課題は、発足初期には東金市内の研究、年中行事、地名や市内、戦跡めぐり、御成街道研究などから、次第に周辺への対象物に拡がり、関寛斎の生誕180周年記念展覧会(平成22年)前後からは関寛斎関係の事業が多くなっています。
   東金市教育委員会生涯学習課が毎年実施している歴史講演会には、その月の定例会の一環として参加。

②研修旅行
    市内も含め県内外の地をめぐる研修旅行。初期には、市内史跡めぐりなどから、次第に県内外の史跡、博物館等の施設へも足をのばしています。
   (主なもの)
    「房総半島一周研修旅行」(平成18年)
    「関寛斎没後百周年記念事業」(陸別町開催)参加(平成24年)
      関寛斎奥羽出張病院の足跡を訪ねるいわき市等への研修旅行(平成28年)

③講師を招聘しての講演会の開催
    講演会も年に2、3回は実施してきています。関寛斎生誕記念講演会(誕生日の2月18日前後)=県内外からの講師をお願いしています。
   (主な講師)
       銚子市の戸石四郎氏(平成22年)、乾浩氏(平成25年)、關内幸介氏(平成26年)、梅村聡氏(平成30年)など

④企画展示
 平成18年から東金文化会館常設展示室を会場として始まったもので、第1回の「歴史とロマンの故郷・東金」から今日に続いています。因みに現在は、「東金市土屋家文書から見る山武地域のキリスト教」を展示しています。

(主な展示)
「関寛斎生誕180周年記念展覧会」(平成22年)、「東金に名を残した人物」(平成29年)
「東金市の戦争記念碑」(平成30年)、「東金市菱沼土屋家文書から見る関寛斎とその周辺」(令和元年)

⑤周辺地域の同様な歴史研究会等の団体との交流
 大網白里市郷土史研究会、山武市歴史民俗資料館、八街郷土史研究会(現、八街開墾資料舎)、九十九里郷土研究会等と交流を行っています。

 会のモットーは、「去るものあり来るものありその出会いを大切にしよう」、出入り自由です。お気軽にご参加ください。

令和5年度活動報告

本年度は新型コロナウィルス感染症が五類になり、収束してきたので、従来の活動ができるようになりました。

本年度の主な事業の一つ目は、昨年度の企画展示「東金酒井氏―その実像に迫る―」に関連して、6月24日(土)に本会主催、東金市教育委員会共催の「東金酒井氏について―最近の研究動向から―」と題した東金市文化財審議委員会会長の遠山成一先生の講演会(会場:東金文化会館小ホール)です。当日は、104名の参加がありました。

主な事業の二つ目は、「企画展示「徳川家康と東金御成街道」です。徳川家康が東金に来たのは、慶長19年(1614)一月と元和元年(1615)11月の2回ですが、この時期は江戸幕府にとって大変重要な時期となっていました。慶長19年(1614)には11月に大坂冬の陣が起きます。そして元和元年(1615)は前年12月の徳川方、豊臣方和議の後、4月に大坂夏の陣が起き、5月には秀頼、淀君が自刃し豊臣氏が滅びました。この大事な時期に徳川家康は、東金御成街道、東金御殿を造らせ東金に来ているのです。緊迫した慶長19年1月に、なぜ東金に来たのでしょうか。実は、家康の駿府政権が、東金に鷹狩りに来て、豊臣氏を滅ぼすことや謀反を企てていると伝えられた大久保忠隣と江戸湾入口を領している里見氏の改易について、秀忠の江戸政権と離れた場所で密談をしたのだと考えられるのです。当時東金は大変重要な場所だったわけです。

東金御成街道については、千葉市の中学校教諭で校長まで勤め上げた故本保弘文先生が、『房総の道 東金御成街道』等の書籍を出されており、素晴らしい研究著作となっています。しかしながら、最近の研究で、東金御成街道の「三日三晩で造られた」とされる工期や徳川家康来訪の経路等の解釈が変わってきています。また、東金御成街道というとその経路や主な経由地等にスポットが当てられており、造成・維持への農民の負担、鷹狩りに伴う禁制、鷹狩りそのもの等には重きをもって触れられていないように思われます。
さらに、あまり知られていないと思いますが、徳川家康は鷹狩りの他に時間を隔ててもう一度、常磐御箱という形で東金と関係を持つことになります。そこで、東金市郷土研究愛好会では、最新の研究成果をふまえ、さらに上記の内容も付け加え、「徳川家康と東金御成街道」として企画展示を開催することにいたしました。

この展示は、東金文化会館常設展示室で令和5年11月1日から約一年間開催しています。
文団協の皆様を始め多くの方々に是非ともご覧いただきたいと思います。

恒例の関寛斎生誕記念講演は、東金文化会館小ホールで令和6年2月17日(土)「関寛斎とともに」と題して、映像や顕彰の歴史、朗読、歌と多彩な内容で関寛斎を紹介し、好評でした。

活動概要

活動日  定例会  毎月第4土曜日 午後1時30分より
活動場所 東金図書館 市文化財保管庫2階会議室
年会費  4,000円

連絡先  事務局 吹野恭一
                     東金市油井417   
                                    090-7811-0417

長野方面の研修旅行(平成30年)